再生エネルギー事業でよく使われる基本用語10選
この記事では、再生エネルギー事業への転職を考えている方が知っておきたいキーワードをご紹介します。再生エネルギーの知識を深めるためにお役立ていただけると幸いです。
定格出力
電気機器や電力供給装置の仕様の一つで、装置が安定して出力できる最大の電力のことです。
発電効率
エネルギー源の持つエネルギー量に対して、発電するための熱や光などのエネルギーが、どれだけ電気エネルギーとなるかの割合のことです。一般的に、発電方法と発電効率の割合は以下の通りと言われています。
発電方法 | 発電効率 |
火力発電 | 約50~63% |
風力発電 | 約30~40% |
原子力発電 | 約33% |
地熱発電 | 約20% |
参考:https://www.enegaeru.com/powergeneration-efficiency
コジェネレーション
天然ガス、石油、LPガス等を燃料として、エンジン、タービン、燃料電池等の方式により発電し、その際に生じる廃熱も同時に回収するシステムです。従来は捨てられていた熱の有効利用につながり、経費削減や二酸化炭素削減にもなります。バイオマスでも発電と熱利用を同時に行うものはバイオマスコジェネレーションと呼ばれます。
系統連系
発電所で発電した電力を、電力会社の送電網(電力系統)に接続すること。再エネで発電した電気を売るには、系統連系を行って電力会社に送る手順が必要です。
バイオガス
家畜ふん尿や生ゴミなどの有機生廃棄物を発酵させて得られるガスのことで、主な成分はメタンです。バイオガスを燃やすことで、発電や熱利用に用います。バイオマスと言葉は似ていますが別物です。バイオマスは、生物由来の資源のことです。
kW(キロワット)
kW(キロワット)は発電設備の設備容量(発電する能力の大きさ)を表す際に用いる電力の単位で、kWと表記します。1kWの発電設備が8時間安定的に発電を行った際の発電電力量は8kWhとなります。たとえば一般家庭の屋根に載せられている太陽光発電は、日射量により異なりますが平均4kW程度で、一年間の発電量は4000〜4400kWh程度と言われています。
温度差エネルギー
河川や海水、下水や地下水などの水温と、大気温の差から得るエネルギーを「温度差エネルギー」といいます。冷暖房や工場などから排出される熱も外気との温度差があるため、温度差エネルギーとして利用できます。都市内でも多く使われている冷暖房との組み合わせによって温度差エネルギーの活用ができるため、エネルギーの消費量やCO2排出量の削減に効果があります。
カーボンリーケージ
温室効果ガスの排出規制が厳しい国の企業が、規制の緩やかな国へ生産拠点や投資先を移転し、結果的に世界全体の排出量が増加する事態のことです。カーボンリーケージ対策として炭素国境調整と呼ばれる貿易措置が検討されています。これはどういうことかと言うと、温室効果ガスに対して厳しい規制を取る国が、水際で輸入品の炭素コストに応じて国内と同等の課金を行いつつ、自国からの輸出品に対しては炭素コスト分の還付を行うことで、国際上の価格競争の不利を解消するなどといった措置のことです。
スマート農業
スマート農業は次世代農業とも呼ばれ、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、省力化や精密化などを進めるものを指します。日本の農業の高齢化や新規就農者の不足を背景に、2013年から農林水産省で検討が始まった概念です。具体的には、ロボットやスマートフォンで操作する水田の水管理システムなどによる作業の自動化、位置情報と連動した経営管理アプリによる作業の記録をデジタル化することにより農家の敷居を下げること、ドローンなどによるデータの取得や活用・AI解析などにより、農作物の生育や病虫害を予測し安定的な経営を可能することなどがあります。
超伝導電力貯蔵システム(SMES)
電気抵抗ゼロの特性を持つ超電導コイルを利用して電気を貯蔵する装置のことで、電気抵抗がないため電流が減衰せず、電気エネルギーを磁気エネルギーとして貯蔵することができるシステムのことです。