電気主任技術者として独立するメリット

電気主任技術者として独立した場合、主に3つのメリットが挙げられます。

自分に合った働き方を選べる

電気主任技術者として企業で働いている方は、夜勤などが多く、仕事量に悩まされているケースもあるかと思います。独立すれば、自分のスケジュールを柔軟に調整できるため、夜勤や長時間の勤務を減らすことができます。また、自分の専門性に集中しやすくなり、やりたい仕事を選ぶことも可能です。
そして、報酬面でも自らの仕事の価値を評価してもらえれば、収入を増やすことができるでしょう。

定年がない

厚生労働省の調査によると、定年制度を設けている企業のうち約9割は60歳を定年としています。

近年、年金制度が不十分になってきているので、多くの人が働けるうちはできるだけ長く仕事をして収入を得たいと考えています。独立して電気管理技術者となり個人事業主として働けば、定年に関係なく、何歳になっても自分の好きな分だけ仕事をすることができます。そのため、自らのキャリアや経験を活かし、年齢に関係なく積極的に活動することができるのです。

人間関係に悩まなくなる

会社という組織にいる以上は人間関係の悩みが付き物です。
保守点検や修理など、一人で行なう作業が多いとはいえ、そのような業務だけでは終わらない方も多いかと思います。
特に人手不足に悩まされている職場では、ストレスから人間関係がさらに悪化するといったことも考えられます。しかし、独立して組織から離れれば、人間関係のしがらみを無くすことができます。上司や同僚とどうしても上手くいかない時には独立も一つの解決策となるでしょう。

電気主任技術者として独立開業するデメリット

上記のようなメリットがある反面、電気主任技術者として独立すればデメリットもあります。
以下で3つのデメリットについて解説します。

収入を安定させるのが難しい

電気管理技術者として今までどおり生計を立てていくには、当然のことながら自力で仕事を見つけていく必要があります。今まで会社が確保していた仕事を自分で確保する必要があるので、決して簡単なことではありません。

安定するためには継続して仕事を獲得し続ける必要があるので、独立開業して今までどおり安定した収入を得るにはかなりの努力が必要です。

さらに、収入の波があるため、収入の管理や予算の立て方にも要注意です。
そのため、独立開業する際には収入の不安定性に対処できるよう計画をしっかりと立てることが重要といえるでしょう。

スキルが求められる

仕事を発注する側から見ると、やはり会社に頼むほうが大きな信頼があります。個人で独立すると、今までの会社の看板は使えなくなるので、培ってきた経験や確かな技術が武器になります。企業を相手に競争して仕事を獲得する必要があるため、ハイレベルな技術力が必要になります。

ある程度は会社に従事して、十分な経験と技術を養ってから独立する必要があります。
また、独立後もスキルの向上を常に意識し、最新の技術や法規制についても常に学習し続けることが求められます。

実務経験が必要

電気管理技術者になるためには、資格の種類によって異なりますが、要件として電気主任技術者としての実務経験が3〜5年は必要になります。

多くの人の場合、最初は第3種電気主任技術者の資格を取ってから実務の経験を積んでいきます。そこで最低でも5年は電気主任技術者としての実務経験が必要になります。

電気主任技術者の資格取得も簡単ではなく、合格率は10%〜20%程度で、約1,000時間の勉強が必要です。独立開業を考える際には、この実務経験の重要性を認識し、事前にしっかりと経験を積んでおく必要があるのです。

電気主任技術者として独立した場合の平均年収

個人事業主の電気主任技術者の方は自分で仕事を選びつつ努力次第で仕事量を増やせるため、平均年収も600〜1,000万円と高くなっています。

ただし、電気主任技術者の個人事業主として活動する場合は専門的な技術だけでなく、営業スキルや顧客管理などさまざまな業務が増えるため、会社員に比べ激務になることがあります。

電気主任技術者として独立開業するための条件

電気主任技術者として個人で独立する為には下記の条件を満たす必要があります。

  • 電気主任技術者免状の交付を受けていること
  • 電気主任技術者としての実務経験を一定年数積んでいること
  • 仕事に必要な機械・器具を保有していること
  • 保安管理業務をおこなう事業場が一定の条件を満たしていること
  • 保安管理業務を支障なく実行できること
  • 取消しを受けてから2年以上経過していないこと

これらの条件を満たすことで、個人としての活動が可能になります。
具体的な条件に関しては、「公益社団法人 東京電気監理技術者協会」が定めており、電気主任技術者として独立をお考えの方は、この条件を確認しておくことが重要です。

引用:https://www.eme-tokyo.or.jp/installation/consignment/requirement.php

電気主任技術者として独立し、案件を獲得する方法

電気主任技術者が独立を考える場合、最も難しいのは独立後の仕事を見つけることです。
以下では、独立後に仕事を見つけるための3つの方法を紹介します。

営業経験を積んで、人脈を作っておく

電気主任技術者として独立後、案件を獲得するには営業経験を積んで、人脈を作っておくことが重要です。独立する前に実務経験を積んだ企業で営業経験や人脈を作っておくようにしましょう。

独立した後は、自分自身で営業して案件を獲得する必要がありますが、人脈を事前に作っておけば案件を紹介してもらえる可能性があります。

転職エージェントを活用する

自分で営業を行ったりコミュニケーションが苦手と感じたりする人は、転職エージェントの利用も1つの方法です。
転職エージェントによっては、独立して働く方に向けた案件紹介サービスが提供されているため、うまく活用すれば案件を獲得できるでしょう。ほかにも、営業代行サービスに相談して営業面でのアドバイスを受ける方法もあります。苦手とする営業業務をプロに任せることで、効率よく案件の獲得を目指せます。

一般的に、独立してから安定した収入を得るまでには数ヵ月~数年の期間がかかると言われています。
そこで、転職エージェントや営業代行サービスをうまく活用してスムーズに案件を獲得しましょう。

また、独立後も定期的にキャリアアドバイザーやビジネスコンサルタントとの面談を行うことで、戦略的な案件獲得のアドバイスを受けることもできます。

電気主任技術者として独立するのは楽しい?

一般的に、「電気主任技術者はやめとけ」と言われています。
なぜなら、人手不足で一人当たりの仕事が多く、労働環境が厳しいと考えられているからです。

しかし、電気主任技術者の将来性や需要は高いとされています。
資格を取得し経験を積むことで、将来的には重宝される人材として活躍できます。
電気主任技術者の資格取得は難しいですが、将来性や専門性の高さから見れば十分に価値のある資格と言えます。

独立によって得られる自由や可能性はありますが、会社にいても実現できる方法があります。

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