電験2種の資格保持者の需要は高まっている
電験2種は、電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の工事や運用、維持、保安を監督する資格です。まず、下記にて電験1種〜3種の対応範囲について確認しておきましょう。
監督可能な電気工作物 | 電気工作物の具体例 | |
電験1種 | 全ての事業用電気工作物(自家用約100件+電気事業用電気工作物) | 大手電力会社が保有する ・送電線、変電所 ・大型の発電所 (200万キロワット程度以上) 等 |
電験2種 | 電圧17万ボルト未満(自家用約1万件+電気事業用電気工作物) | ・全ての自家用の発電設備 (5,000キロワット以上) ・大規模な工場 等 |
電験3種 | 電圧5万ボルト未満かつ出力5,000キロワット未満(自家用約90万件+電気事業用電気工作物) | ・5,000キロワット未満の発電設備 ・ビルや工場、コンビニ 等 |
(参考元:電気保安人材の現状分析と 取組の方向性について|(1) 電気主任技術者の概要(経済産業省))
上記のように、電験1種と比べると電験2種の監督可能な電気工作物の範囲は限られています。そのため、需要が少ないと不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、経済産業省の情報によると、2045年にかけて大規模再エネ設備の増加にあたって、電験2種の資格保持者が多く必要になるといわれています。電力インフラの老朽化や災害対策強化の観点から、電験2種の保持者は、今後安定した需要が見込まれているといえます。
電験2種の業務範囲
電験2種の業務範囲は広範囲にわたります。
発電所や変電所、ビルや工場などの保安監督者になるためには電験2種を含む電気主任技術者の資格が必要です。具体的には、電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の工事や運用、維持、保安の監督を行います。
電験2種の年収
需要が高まるとして注目されつつある電験2種は、経験や所在地、企業規模などさまざまな要因によって異なりますが、一般的には比較的高い水準にあります。
電験2種の業務内容 | 年収 |
電気設備の保守・管理 | 300~1,000万円 |
設備管理業務 | 500~800万円 |
ビルメンテナンス | 400~700万円 |
再生可能エネルギー事業の保安業務 | 500~800万円 |
(※)
電験二種は、電験三種よりも上位の資格であり、扱える電圧の範囲も広がります。
企業や経験年数によっては、年収が700万円を超えることもあります。
参考元
https://jhk-or.jp/blog/annual-income/(JHK:日本電気設備保安協会)
https://www.sat-co.info/ec/denken2/usefulness(SAT:現場・技術資格専門通信教育会社)
電験2種の需要
電験2種は、社会や企業からの需要が高い資格ですが、将来的な需要の持続性について疑問を持っている方もいるかもしれません。
以下で、電験2種の需要について解説します。
転職や就職で有利になる
電験2種を持っていれば、幅広い業種で働けます。
電験2種は、社会や企業からの需要が高く、取得すれば特定の業界での就職や転職に有利になります。
人々の生活に欠かせない発電所や工場などの電気設備では、保安監督を担当する主任技術者が必要です。
これらの施設は全国各地にあり、その数だけ電験2種の保持者が求められています。
特に、多数の電気設備を管理する企業では、電験2種の需要が高まる傾向にあります。
そのため、良い条件での採用が期待できるでしょう。
業務の幅を広げられる
電験2種を取得すると、業務の幅が広がります。
具体的には、電験3種では対応できない電圧5万ボルト以上の事業用電気工作物の保安監督業務が可能になります。
ただし、17万ボルト以上の事業用電気工作物については電験2種では対応できず、電験1種を持っている必要があります。
このような高電圧施設は一部の大型の発電所や超高圧変電所に限られるので、それ以外の主要な事業用電気工作物の多くは、電験2種で対応できます。
電験2種が強味になる業界
電験2種の資格は、幅広い業界で強みとなります。
- 電力業界
送配電設備の設計・保守・運用に必須の資格 - 電気機器製造業
製品開発や品質管理職で高度な電気知識が求められる - 建設業・設備管理業
電気設備の設計・施工・保守に関わる職種で必要とされる
電験2種は、電力、電気機器製造、建設、通信、設備管理など、様々な分野で活躍できる資格であり、専門的な電気知識を持つ人材として高く評価されます。
電験2種を活かせる業界
電験二種を活かせる主な職種は以下の通りです。
- エネルギー業界(電力会社など)
送電・配電技術者として活躍
電気設備の設計、施工、保守に関わる - 製造業
生産ラインの設計・保守・改善に関連する職種
電気制御技術者としての役割 - 建築業界
ビルや工場の電気設備設計
エネルギーマネージメントのポジション
電験二種の資格は、電気設備に関する深い知識を証明するものであり、これらの職種や業界において専門性と信頼性を示すことができます。資格を持つことで、自身の市場価値を高め、幅広い業界で活躍の場を広げることが期待できます。
電験2種を取得しておけば第1種電気工事士および認定電気工事従事者を取得しやすくなるメリットも
電験2種を取得していれば、第1種電気工事士の資格取得が比較的簡単にできるようになります。第1種電気工事士は、500kW未満の自家用電気工作物や一般電気工作物の電気工事を行うための資格です。通常は筆記試験と技能試験が必要ですが、電気主任技術者を持っている場合は試験が免除されます。
電験2種を持っている人は、5年以上の実務経験だけで、または技能試験のみ合格すれば第1種電気工事士の資格取得が可能です。そのため、第1種電気工事士の受験を考えている人は、まず電験2種を取得することで効率よく試験合格を目指せます。
さらに、電験2種を持っていると、3年以上の実務経験があれば認定電気工事従事者の認定を受けられます。6時間の認定講習を受講することなく、試験に合格すれば認定証を取得できるのです。
電験2種は年収と需要が高い資格
電験2種を取得すると、企業によってはお祝い金や資格手当が支給されることもあります。
経済産業省によると、2045年までに大規模な再エネ設備が増加することで、一部地域では電験2種の技術者が不足する可能性があるといいます。
そのため、将来的にも電験2種の需要は増える見込みです。ですので、現在電験3種までしか取得していない方は、今のうちに電験2種の取得を検討しておきましょう。
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