業務独占資格・名称独占資格・必置資格とは

皆さんは、業務独占資格・名称独占資格・必置資格という言葉を聞いたことがありますか?業務独占資格・名称独占資格・必置資格とは資格の分類です。

ここでご紹介する資格は、社会的信用度や認知度が高いため、就職や転職、独立開業にも有利な資格といえます。この3者は全く別のものではなく区別は曖昧だったりするのですが、知っておくとキャリアアップにも繋がっておすすめですよ。ぜひ読み進めましょう。

業務独占資格とは?

業務独占資格とは、資格を取得している人だけが業務を行える資格です。資格を有していない人が業務を行ってしまうと、法律違反になります。特別な知識やスキルが必要なものが多く、試験の難易度が高めなことも特徴です。

社会保険労務士

社会保険や労務管理の指導や相談を受けたりする国家資格です。雇用保険、労災保険、厚生年金などの手続き事務や必要書類の作成・提出、給与や就業規定へのアドバイスなどを行います。
年金問題や人手不足、社会保険関連の法令改正などによりニーズが高まっているため、転職や就職にも有利です。受験するには学歴・実務経験・国家資格合格のうち、いずれか1つを満たす必要があります。 

電気工事士

電気工事士は屋内外の電気工事を行うことができる国家資格です。第一種電気工事士と第二種電気工事士の2種類があり、それぞれ工事できる範囲が定められています。第一種では住宅や店舗、中小ビルなどの自家用電気工作物の工事が、第二種では一般用電気工作物の工事のみが対象範囲です。

受験資格はありませんが、第一種の免状を取得するためには、これまで5年の実務経験が必要でしたが、令和3年4月1日以降は、通算3年以上の実務経験で免状が取得できるようになりました。

行政書士

行政への許認可申請が必要となる場合に提出する書類の作成、官公署に届ける書類に関する相談業務などを行う法律の専門家です。法律の専門家とされる士業は、弁護士が有名ですが、行政書士の業務は他の士業と比較して、幅広いことが特徴です。
官公署に提出する書類および事実証明・権利義務に関する書類の作成代理は行政書士の独占業務です。

名称独占資格とは?

資格取得者だけがその肩書きを名乗ることでき、資格取得者以外はその名称を名乗れないのが名称独占資格です。資格を持っていなくても業務自体は行えますが、国家資格という肩書きがあることにより信頼度が高まります。

保育士

子どもの保育が行える国家資格です。保育士として働くには、資格取得後に都道府県知事に登録申請が必要です。保育所不足が社会問題にもなるほどで、共働き家庭の増加により保育士のニーズはますます高まっています。資格の取得には、専門学校や大学などの養成校に通い卒業時に取得する方法と、年2回実施される保育士試験に合格する方法の2種類があります。

社会福祉士

社会福祉士は「ソーシャルワーカー」や「生活相談員」とも呼ばれており、心身に障害を抱えている人や高齢者、およびその家族のサポートを行います。いわゆる感情労働というもので、問題を抱えた人の相談に乗ったり、福祉サービスへの連携を行ったりと、コミュニケーション力を活かして幅広くサポートする仕事です。受験資格があり、大学で福祉系指定科目を履修している、実務経験が4年以上あるなどのうち、いずれかを満たしていることが条件となります。

介護福祉士

介護を必要としている人が日常生活をスムーズに行えるようにサポートする仕事です。介護・介助を行うだけでなく、家族の介護を行なう人からの相談を受けたりアドバイスをしたりすることも、介護福祉士の大切な役割です。高齢化に伴い需要に供給が追いついていない仕事とも言えるでしょう。
受験資格は、実務経験があることや福祉系の高校などで所定の科目を履修し卒業したことなどのうち、いずれかを満たしていることが条件となります。

必置資格とは?

必置資格とは、事業を行う際に、それぞれの企業や業種によって特定の資格保持者を置かなければいけないと法律で定められている資格です。事業規模や顧客数などによって設置人数が変動する場合もあれば、有資格者を1人だけ設置すればいいケースもあります。ここでは、具体的にどのような資格が必置資格にあたるのか紹介します。

衛生管理者

労働衛生管理を担当するための国家資格です。パートやアルバイトを含む50名以上の労働者が勤務している事業場では、常に衛生管理者を1名以上設置することが義務付けられています。
全ての業務に携われる第一種と特定業務のみのに携われる第二種があり、受験資格もあります。大学などを卒業し実務経験が1年以上ある、実務経験が10年以上あるなどのうち、どれか1つを満たさなければいけません。業務としては、労働者の健康や職場環境を維持するために、施設や作業状況を改善したり、労働者の相談を受けます。

宅地建物取引士

土地や建物などの不動産取引を行う際に必要になる国家資格です。不動産取引の際には、宅地建物取引士が契約内容や重要事項説明を説明します。受験資格がないため、比較的挑戦しやすい資格だといえるでしょう。知名度も高く、身近な資格と言えるでしょう。

電気主任技術者

電気主任技術者(通称「電験」)は、電気に関する専門的な知識と技術を持つ証となる国家資格です。

電験の資格には一種・二種・三種の3つがあります。

三種保持者が、所定の年数、実務に携わったことを証明する「就労証明」をすることで、上級の二種を無試験で取得することができます。二種取得後も同様で、一種への実務経験によるステップアップが可能です。

無試験で上級資格を取れる国家資格は他にあまり例がありませんので、電験は社会人にとって大変有利な資格と言えるでしょう。

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