2023年5月31日、脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための法律、「GX脱炭素電源法」が成立しました。この法律は、再生可能エネルギーの導入を促進し、地域との共生を図るための重要な枠組みを提供しています。以下では、法律の概要と具体的な施策について探ってみましょう。
再エネ導入を支援する系統整備の強化
電気の安定供給を確保するため、特に重要な送電線の整備計画を経済産業大臣が認定する制度が新設されました。認定を受けた整備計画には、再エネの利用を促進するものが含まれ、工事開始段階から系統交付金(再エネ賦課金)が交付されます。さらに、電力広域的運営推進機関には、送電線の整備に向けた貸付業務が追加され、再エネ導入を支援する体制が整備されました。
既存再エネの最大限の活用を促進する追加投資措置
太陽光発電設備に係る追加投資を促進するため、早期の更新や増設をサポートする制度が導入されました。この制度では、地域共生や廃棄の円滑化を前提に、追加投資部分に新たな買取価格が適用され、再エネの最大限の活用が図られます。
地域と共生した再エネ導入のための事業規律強化
関係法令等の違反事業者に対する措置も強化されました。違反事業者に対しては、FIT/FIPの国民負担による支援を一時留保し、違反が解消されない場合は返還命令が行われます。また、事業内容を周知する認定基準の追加や、委託先事業者への監督義務の強化など、地域との共生を重視した規律が導入されました。
GX脱炭素電源法は、再生可能エネルギーの促進と地域との共生を目指す新たな一歩です。地球環境への貢献と持続可能な社会の実現に向け、積極的な政策が展開されています。
参考:GX脱炭素電源法https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/052_01_00.pdf