概要

省エネ法は、日本のエネルギー政策の中核をなす法律の一つです。その目的は、国や企業がエネルギーを効率的に使用し、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を削減することにあります。省エネ法には、エネルギー使用施設の効率化やエネルギー管理体制の強化など、さまざまな規定が含まれています。

ガイドライン

省エネ法の実施に当たっては、経済産業省がガイドラインを提供しています。これは、法令の解釈や運用方法に関する指針であり、省エネ対策の具体的な手法や手順が示されています。ガイドラインには、エネルギー管理体制の構築方法や省エネ設備の選定基準などが含まれています。

仕組み

省エネ法に基づく主な仕組みには、次のようなものがあります。

エネルギー使用施設の定期的なエネルギー効率の評価

省エネ法では、エネルギー使用施設の効率を定期的に評価することが求められています。施設のエネルギー効率を評価し、改善の余地がある場合には適切な対策を講じることが重要です。

エネルギー管理体制の構築と運用

法律に基づくエネルギー管理体制の構築と運用が重要です。企業や公共施設がエネルギー管理体制を整備し、効果的なエネルギー管理を行うことで、省エネ効果を最大化することが可能です。

エネルギー使用量の報告と公表

省エネ法では、エネルギー使用量の報告と公表が義務付けられています。企業や公共施設は定期的にエネルギー使用量を報告し、その情報を公表することで、透明性を確保し、省エネの促進に寄与します。

エネルギー効率の向上に向けた施策の策定と実施

省エネ法に基づき、エネルギー効率の向上に向けた具体的な施策が策定されます。これには、省エネ設備の導入やエネルギー管理システムの導入などが含まれます。また、これらの施策の実施も重要な要素です。

省エネ設備の導入や更新の促進

省エネ法では、省エネ設備の導入や更新を促進する仕組みが整備されています。補助金や助成金、税制優遇措置などが提供され、企業や公共施設が積極的に省エネ設備を導入することを支援しています。

関連法案

省エネ法と関連する法案には、次のようなものがあります。

温室効果ガス削減対策推進法

温室効果ガスの排出削減を推進するための法律です。特定事業者に対して温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、その達成を支援します。

エネルギー基本計画

国のエネルギー政策の基本方針を策定する法律です。再生可能エネルギーの普及促進やエネルギー供給の安定化などを目指しています。

エネルギー管理法

大規模事業者に対するエネルギー使用量の監視・管理を行う法律です。エネルギー使用量の報告やエネルギー管理計画の策定が求められます。

再生可能エネルギー特別措置法

再生可能エネルギーの普及促進を目的とした法律です。特定事業者に対する再生可能エネルギーの導入促進や買取制度の運用が規定されています。

支援制度

省エネ法に基づく支援制度には、次のようなものがあります。

エネルギー効率向上支援事業

省エネ設備の導入や更新を支援する事業です。補助金や助成金が提供され、省エネ施設の普及を促進します。

エネルギー管理システム導入支援事業

エネルギー管理システムの導入を支援する事業です。エネルギー使用量のモニタリングや効率的なエネルギー管理を支援します。

エネルギーサービス会社登録制度

エネルギーサービス会社の登録制度が設けられています。省エネ設備の導入やエネルギー管理システムの運用を専門とする企業が登録し、サービスを提供します。

省エネ法と関連法案の比較

法案名目的適用範囲主な規定
省エネ法エネルギーの効率的な使用促進公共施設、事業所、住宅エネルギー管理体制の構築、エネルギー使用量の報告
温室効果ガス削減対策推進法温室効果ガスの排出削減特定事業者温室効果ガス排出量の削減目標
エネルギー基本計画エネルギー政策の基本方針策定国全体再生可能エネルギーの普及促進、エネルギー供給の安定化
エネルギー管理法エネルギー使用量の監視・管理大規模事業者エネルギー使用量の報告、エネルギー管理計画の策定
再生可能エネルギー特別措置法再生可能エネルギーの普及促進特定事業者再生可能エネルギーの導入促進、買取制度の運用

参考:経済産業省「省エネ法について」https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/overview/